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iPhone/iPadで業務改革?オレならこうやるね (大成建設の取り組み)

CategoryiOS生産性
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今日2013年3月8日、ベルサール神田にて、ITmedia エンタープライズ編集部主催の「第8回 ITmedia エンタープライズ ソリューションセミナー 先進導入企業に学ぶ スマートデバイス導入/活用の勘所」に参加してきました!

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時間の都合上、事例講演のみを聞いてたのですが、意外なことにかなり深いお話だったのでレポートします。

このセミナーは『建築現場の仕事は“紙”から“スマートデバイス”へ 大成建設にみるスマートデバイス導入活用術』と題して、大成建設の田辺氏によりキックオフされました。

大成建設はいわずもがな、日本を代表するスーパーゼネコンの一社です。大成建設は大きく分けて、建築ー施行の事業と土木の事業があるそうですが、今回は前者の建築のほう。会社全体のITの取り組みというより、一部門が行っているIT化のお話です、という前置きがありました。

大成建設 クラウド以前の取り組みとは


大成建設はいまクラウドを利用した業務改善、業務改革を推進しており、目覚ましい実績をあげていますが、じつはかなり以前からIT投資を行っていました。

話は1998年にまでさかのぼります。インターネットが徐々に普及し始めたころです。G-Netというサービスを使用して、請け書契約や出来高請求などを行う仕組みを構築していました。協力施工業者さんはパソコンを持っていないような時代ですが、プロバイダ契約を始めるところからスタートしたそうです。

続いて2003年には三菱商事が展開した作業所Net、2005年にはグリーンサイト、2006年にはSUPER TRIOというサイトなどにアップグレードするに至りました。

この流れの中で一貫しているのはただひとつ。「時間と空間を超えて仕事ができる仕組みづくり」ということだそうです。

そして現在では、請け書契約・出来高請求は95%以上がネットでかわされているそうです。さらに電子署名契約を利用することで、契約書に貼る収入印紙を年間2億円を削減することに成功しているとのこと。

いま大成建設の利用している「作業所Net」では、かつて紙ベースであった書類がファイルの形に置き換わり、年間120万ダウンロードされているそうです。これは設計図や施工図、製作図などを紙ベースに直すと月間50万枚に相当するデータのやり取りをしているそうです。

iOSアプリを開発することを決断


ここで一つの業務上の課題があったそうです。それは、パソコンを使ってファイルをやり取りしているのはいいけれど、結局机に縛られてしまうということ。

たとえば大成建設の社員は朝の朝礼などが終わったらすぐに現場に行って施工管理のお仕事があるそうです。やはり現場での仕事がメインである訳ですから、パソコンに触れるのは帰社してからのこと。すなわち夕方以降、残業して、ということになります。

これでは社員の生産性は上がらない・・・。

そこで大成建設は「Field Pad」というアプリをiOS上で開発することを決断しました。Field Padとは、セキュアなサーバーや DropBoxからPDFの図面を引っ張ってこれるアプリです。さらに図面の上にピンを刺して、そこにビデオを撮ったり、写真を撮ったり、コメントを入れたりしてデータを乗せることができるそうです。

かつては黒板でこういう業務をやっていました。(いまでも町を歩いていると、工事現場などで見ますよね)そしてデジカメで写真を撮って、会社に帰って、エクセルに貼付けていたとのこと。

いまは違います。Field Padを使い、撮った写真データやコメントは、現場でクラウドコンピューティングを利用して、すぐに帳票を作成してくれるようになったとのこと。

たとえば配筋検査をするという業務があったとき、Field Padで最新の図面をダウンロードし、問題点があればすぐに記録して、帳票を作成し、サーバーに飛ばせる。これにより大幅な時間短縮につながったそうです。

アプリ「Field Pad」のコンセプトとは


このような優れたアプリField PadはiPhone 3Gのころから着想していたそうです。コンセプトとしては、以下の4点が挙げられます。

 1. 協力会社5700社と、そのユーザ30000人が使えるアプリであること。
 2. 安定的継続的にサービスを提供し、発展できる企業構成であること。
 3. 特定業務の専用アプリではなく、建設業における汎用的な電子文房具であること。
 4. 使いたい機能だけを利用できるアプリ構成

既に述べたように大成建設は昔からIT投資に旺盛で、そして成功体験を実感していました。その実績に裏打ちされ、今回の新しいプロジェクトが開始しました。

従来協業していた三菱商事、そしてスレイプニルや各種iPhoneアプリでおなじみのフェンリル、帳票出力のノウハウを持ったコクヨS&Tの3社とタッグを組むことにして、昨年4月18日にField Padがついにリリース。

こちらのビデオがわかりやすいです。


主軸はクラウドにあり。スマートデバイスはお好きなものを現場の判断で


いま時代はかなり変わってきています。かつてスマートフォンはあったがとてもじゃないが使いづらい代物でした。しかしいまはみなiPhoneを使っています。そしてAndroidを使っています。iPadを使っています。そしてそのメリットはだれにでもわかりやすくなっています。(手に取れるので、経営者層にもイメージされやすい)

かつてASP、SaaS、PaaSなどと呼ばれていたものがあったが普通の一般人はピンと来るひとはすくなかったでしょう。しかしいまはクラウドサービスといえばみな理解するようになっています。

このような時代背景の中で、業務の主軸にあるのはクラウドである、とのこと。こここそが企業が持っているノウハウの部分です。大成建設では、このクラウドを使って業務を行うことがマストになっているそうです。

しかしそれにつながるデバイスは、一律には決めてはいないそうです。iPhoneであれiPadであれ、私物であれ会社貸与であれ、お好きなものをどうぞとのこと。それは現場で勝手に費用対効果を考えて決めてくれ。ただし業務はクラウドに乗せることだけは必須にしてくれ、ということだそうです。

以上が、50分間の講演の内容でした。

***

ご承知のように、AppleはiPhoneもiPadもそうとう企業ユースを考えて作っています。たとえばMS Exchangeの対応などです。iPadの初期のプロモーションビデオにはアメリカ陸軍での採用実績なども取り上げていましたね。このようにできるだけ企業の場、ビジネスの場で使ってほしいという思いがAppleにはあります。

単に流行のデジタルデバイスを仕事の場にもってきてもそれが成功するかどうかはわかりません。たとえばワインバーのメニューをiPadに変えてみた、個人商店のレジをiPadに変えてみたなどというなどという試みはもしかしたら成功事例として取り上げられるかもしれません。

しかし協力会社5700社がいて、そのユーザ30000人がいるような巨大なビジネスの現場に、思いつきでデジタルデバイスを持ってきても、おもちゃ以上の扱いを受けることはまずないでしょう。それをどう運用するのかという視点、思想が強烈に存在しなければ現場の方々を動かすことなどできません。

上で見たように、重要なのは「主役はクラウドコンピューティングなのだ」ということです。これこそが業務を推進する鍵であり軸であります。

つい私たちは「我が社はiPadを○○○○台導入しました!」などという事例に目がいきがちです。もちろんデバイスそれ自体が業務に影響を与えるという面もあると思います。iPadがいいか、iPhoneがいいか、はたまたiPad mini がいいか・・・・。それって、例えばスタンウェイのピアノを買ってきて、すぐに素人がピアノが弾けるかというのと同じ話のように思えます。

デバイスの進化はあまりにも速いです。デジタルものは陳腐化が著しいです。どんなデバイスがいいかは現場が個々に判断すればいい。そうではなく、あくまで業務全体を見る立場からは、バックボーンに存在する仕組みが勘所であって、それがいかに個々の現場で働く人たちに影響を及ぼしているかをよく考える必要があり、またそれこそが本質であると思いました。

***

AppleのiPadのビジネスサイトには、海外の企業の事例が紹介されています。

アップル - iPad - ビジネスにiPadを

なるほど、企業はiPadを活用して、業務効率に役立てているようです。

しかし取り上げられているのは海外の企業ばかり。海外と日本はビジネス習慣が異なりますから、ピンとこないこともあります。

今回の大成建設の事例は、まさに私たちの近所のおじちゃん・おばちゃんの勤める、大小さまざまな建築業の会社にダイレクトに関わっています。その意味で、iPad や iPhone が身近な人たちの業務に役立っていることを肌で感じることができたテーマで、面白かったです。^^

(参考URL)
アプリField Pad Field Pad - Taisei Research Institute, Inc.
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