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ある iPad ユーザの妻の日記 (後編)

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これは、ある iPad ユーザの妻の日記です。(この話はフィクションです)

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X月X日 水曜日 雪

午前6時起床。朝食の準備を夫と子どものためにする。パンを焼き、コーヒーを入れる。サラダを作る。いつもの日課だ。

夫がベッドから起きてくるなり、「新しい Mac Pro が発表された! 昨晩の "We'll be back soon" はこれだったのか!」と、iPad を見ながら口にした。

台所にいる私に向かって夫が言った。

「今年の Mac Pro には6-Core Xeonプロセッサが載るんだ!」

私は目を合わさずに言った。

「そう。それはよかったわね。」

「うん、そうなんだ。きっとCore i7-980X プロセッサに違いない。」

夫は食卓のコーヒーカップにコーヒーを注ぎ、すすった。

「あなた。ご飯の時は iPad はよして、とお願いしたでしょう?」

毎日毎日 iPad のことばかり。私はかちんと来て、きつく言ってみた。

「いやぁ、今日は勘弁してくれ。まずは "9 to 5 Mac"と"Apple Linkage"をチェックしなくてはいけないのだから。」

「あなた。以前『我が家は子どもができてからというもの、モノが増えて狭いから、Mac Pro は当分お預けだな』っておっしゃったんじゃなくって? 『うちは Mac mini があれば、デスクトップはそれで十分だって』っていってたじゃないのよ!」

「うむ・・・。理屈の上ではそうなんだが、しかしMacユーザとして抑えきれない感情が・・・。」

「堂々巡りよ。馬鹿みたい。」

夫は iPad に目を落として、ご飯を食べ始めた。私は無視を決め込み、子どもにご飯を与えた。

昼過ぎ、スーパーに買い物に行った。子どもを友人宅に預けて、マッサージに1時間だけ行かせてもらった。


X月X日 木曜日 晴れ

午前6時起床。今日は iPad で「Numbers」を購入した。1200円 (9.99 USD)を iPad のApp Store で支払った。

これまで表計算ソフトを購入してみようと思ったが、Microsoft Office Excel 2007 や同2008は2万円以上する。iWorkはファミリーパック が10800円と比較的安価だった。それらに比べて Numbers for iPad の価格1200円は驚くほど安いと思う。

さっそくNumbersを試してみたが、使用上ぜんぜん問題ない。iPhone OS 向けに作り込んだ操作感だ。悪くない。表計算ソフトで私のしたいことなど、たかがしれてる。せいぜい関数は Sum や Average があればそれでいいのよ。

Numbersで簡易な財産目録を作って、保存した。また暇なときに iPad で表計算シートをアップデートしてみよう。こんどは旅行の日程表でも作ってみたいな。宮城県の蔵王にお釜を見に行きたい。

寒いから、晩ご飯はビーフシチューとガーリックトーストを用意した。夫の帰りが遅かったのでこっそり缶ビールを1つ空けた。iPadのラジオアプリでクラシックを流したら気分が良くなった。


X月X日 月曜日 晴れ

午前6時起床。夫から、日本でも iBookstore がオープンしたことを聞いた。普通の活字の本に加えて、マンガや絵本も購入できるようになったとのこと。夫はさっそく横山光輝の「三国志 全60巻」を購入したとのこと。「iBookstore がオープンしたことがうれしくて、頭に血が上った勢いでポチってしまった」とは夫の弁。後で私も読ませてもらおう。

子どもがお昼寝の時、iPadを触った。iBookstore にアクセスし、子ども用の絵本を買ってみた。購入したタイトルは「かいじゅうたちのいるところ」と、せなけいこの「あーんあん」、いわさきちひろの本を2冊ほどだ。ダウンロードはあっという間に終わった。

子どもがぐっすり寝ているものだから、iPad の操作に夢中になった。さらに1月27日のAppleのスペシャルイベントのポッドキャストを iPad でダウンロードしてチェック。スティーブ・ジョブズさんのようにソファに座って iPad を操作したいものだとおもった。

ジョブズさんの座っていたソファはコルビュジエの LC2 ソファだ。あれは高価だからハナから諦めて、私は前から狙っていたカリモク60を買ってみたい。3シーターのやつだ。これでごろんと横になって iPad を操作してみたい。夫に相談してみようかしら。


X月X日 日曜日 曇りのち晴れ

午前7時起床。夫のMobileMeのアカウントをファミリーのものにアップグレードしてもらう。これで私もMobileMeのメンバーになることができた。そして、iPhone - iPad - MacBook のデータを簡単に共有することができるようになった。

私はこれまで紙のカレンダーに手書きでその日の献立を書いてきたけれど、これからはiPadのカレンダーに書き込むことにする。コピーペーストが使えるから、同じ献立の日は便利ね。外に出ているときなんかでも iPhone 3GS から献立を書き込むことができるのはいい。


X月X日 木曜日 晴れ

午前6時起床。朝から夫が起きてこない。寝室に行き、どうしたのと声をかけると二日酔いだとの夫の返事。だからあれほど「ちゃんぽんはしないでね」とお願いしたのに。いつまでたってもベッドに潜っているものだから一つ演説を打った。

「そうね、そうやってずって寝てればいいのよ。惰眠をむさぼる、まるで砂糖水を売るような行為だもの。」

ピクっと、夫のふとんが揺れた。

「残りの人生、このまま砂糖水を売ることに費やせばいいわ。世界を変えるチャンスをふいにすればいいのよ。」

夫は「ガバッ」とふとんをめくった。「いや、それはできない。し、しかし、すこし頭痛がするのだが。。。」

私は言った。

「あなたが iPad を使っているのは、『宇宙に衝撃を与える』ためなんじゃなくって? そうじゃないんだったら、iPad なんて捨てちゃえばいいのよ。そうよ、捨てちゃえ、捨てちゃえ。」

「う、うむ。。。そうだな。。確かにその通りだ。二日酔いよりも大事なことが俺にはある。」

私を馬鹿にしたら大間違いよ。私だって、林信行と大谷和利とリーアンダーケイニーを読んでいるのよ。私は言った。

「さあ、早く朝ご飯を召し上がって。でも、Stay Hunglyよ。」

「そうだな、Stay Foolishだな。ちょっと Think Different してみなきゃな。脳にアルコールがたまっている気がするが、お風呂に入って、生き返ろう。」

出勤を見送った後、私は子どもとリビングで遊びながら、「私はアップル信者の夫をコントロールする術を身につけた」のだと思った。


X月X日 土曜日 晴れ

午前7時起床。夫は昨日から出張だ。朝、お風呂掃除をして戻ると、私の iPhone 3GS に親友の愛から着信の履歴があった。早速折り返しの電話をかけた。

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「もしもし、愛? ごめんなさい、ちょっと手が離せなくて、電話を取れなかった。」

「あら、いいのよ。今日の約束、そろそろ遊びに行ってもいいなとおもって電話したんだ。大丈夫かしら?」

「もちろんいいわよ。もうお菓子をパティスリー雪之下で買ってあるから。いつでもいらっしゃいよ。」

「あら、結婚してずいぶんと気が利くようになったのね。いいわ、いま目黒の自宅だから、あと30分でつくわ。」

そういって電話を切った。私は部屋の掃除をし、息子を幾分かましな服に着替えさせた。

愛は、アップルジャパンの社員だ。しかし私の大学時代からの親友でもある。彼女に iPad を見せてみたら驚くだろう。私は電子機器には全然興味がないのだから。

「こんちわ。ごきげんよう。」

きっかり30分後、愛は現れた。

「いらっしゃい。さぁ、お上がりなさいよ。」

私は愛をダイニングへ招き入れた。私は台所に行きアップルティーを淹れた。ヨロイヅカのチョコレートケーキとともにダイニングテーブルに置いた。

「まぁまぁおいしいわね」

愛がケーキを口にしながら言った。このあけすけのない関係が好きだ。私たちはお互いの生活のことを話した。愛は仕事のことを、私は育児のことを中心に話した。

ふと大学時代の同じゼミのクラスメートについて話が移った。私が言った。

「そういえば桃子はいまカリフォルニアにいるんだって。知ってたかしら?」

「あらやだ、あの桃子? ずいぶん懐かしいわね。久しぶりに聞いた名前。カリフォルニアには仕事で?」

「そうなの。桃子は学生時代からEメールを英語で一生懸命書いたりしていたでしょ? 社会人になってから、会社に海外勤務をしたいとずっとお願いしていたらしいのよ。それが去年実現したの。」

「そう、それはよかったわね。ガッツあるわ。」

そう言って愛は拳を握った。私は言った。

「桃子の学生時代の写真あるわよ。iPadに入っているの。iPhoto の新しい「人々」機能で検索してくれたの。ほら、ご覧なさいよ。」

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「わあ、懐かしい。そう。桃子。こんな顔だった。よく覚えてる。それにしてもこんな写真、よく取ってあったわね。いまから6、7年前かしら? これ、桃子が大学のゼミの発表の時じゃなくって?」

「そうよ。」

「とても懐かしいわ。この大げさな身振り手振りのゼミの発表、先生にもみんなにも大受けだったな。『ホント使えない』という決めぜりふ、よく覚えてる。このあと、ゼミの女の子だけで銀座のバードランドにいって豪遊したんだっけ。」

そういって愛は目を細めた。私は iPad に入っているっ学生時代の頃の写真をさらに愛に見せた。愛が大学生に戻ったような顔をしたので、私は少し不思議な、しかし心地いい気がした。写真を見ながら愛が言った。

「それにしてもあなたが iPad を使っているなんて驚いたわ。」

「以前使っていたネットブックよりも遙かに使いやすいわ。IPSパネルが見やすいもの。」

「ふーん。まるでアップルのマーケティング担当みたいな口調でいうのね。」

夕方近くになり、愛は帰った。私は息子のためにご飯を用意した。


X月X日 水曜日 晴れ

午前6時起床。夫が血相を変えて私のところに来た。

「昨日の日経新聞どこにやった?」

「資源ゴミの回収に出したわよ」

「あの、あの、あの新聞の中に iPad をはさんでおいたんだが、知らないか?」

「知らないわ。Find my iPadという機能はないの? iPhone にあるやつよ。」

「む、判らない。そもそも俺の iPad は 3Gモデルじゃないから、あったとしても使えないんだよ。」

怪訝な空気が朝の食卓を支配した。こちらのせいにされてはたまらない。私は小児科に行くといって、息子と家を出た。


X月X日 木曜日 晴れ

午前6時起床。夫の口数が少ない。iPad のせいだ。夫は、アップル製品が不調になったり、なくしたりするとすぐにへそを曲げる。MobileMeの同期が失敗しただけでかちんと来る。

「あなたの iPad、めっかった?」

私が言うと夫はだんまりを決め込んだ。

「私の iPad をあげてもいいのよ。どうせあなたに買ってもらったものだし。」

「いや、いいんだ。ボクが好きなのはボクの iPad だけなんだ。人の iPad は大嫌いだ。」

「どこかで聞いた台詞ね。」

「いや、いいんだ。」

晩ご飯はバーミヤンに行った。


X月X日 金曜日 晴れ

午前6時起床。今日、夫が病欠で会社を休んだ。iPadのせいかしら。

私はスーパーへ食材を買いに行った。


X月X日 土曜日 曇り

午前7時起床。朝ご飯を食べながら、夫が言った。

「もう Apple-Style や Macお宝鑑定団、MacTree、Macin' Blog を見る気力がなくなったよ。」

怒りを覚えた私は、強い口調で吐き捨てるように言った。

「だったら『アップルコンフィデンシャル 2.5J』でも再読しな! それかブックオフで『林檎の樹の下で』を探してくるんだね!」

夫は、聞かなかったふりをして、そのままスポーツクラブに出かけた。

夕食後、私は iBookstore で「まんが道」をダウンロードした。夫に読ませたら、夫は、森安なおやの「キャバ、キャバ、キャバ」という笑い声の物まねをした。

「さすがにそれはマニアックすぎるんじゃなくって?」

と私が突っ込みをいれると、鈴木伸一の「モスクでござーい」を物まねした。私はすこし笑った。私はケーキを買ってくる、少女クラブの小村記者の物まねををした。夫は笑ってくれた。夫が元気になってくれたみたいでうれしかった。

iPadはやはりビジュアルのコンテンツを扱うのに適していると思う。マンガ・絵本・写真集・・・。


X月X日 月曜日 晴れ

午前6時起床。久しぶりに夫が会社に行った整理していると、雑誌「僕たちのガンダム」があった。こんな雑誌、うちにあったかしら?と訝しく思っていると、ぽろっと夫の iPad がでてきた。なんだ、ここにあったんじゃない。

さっそく夫に SMS で知らせようとおもったが、早退しかねないので、定時になってからSMSした。案の定飛ぶように帰ってきた。夫が言った。

「俺の iPad があった、あった!よかった!」

「よかったわね。さっそく充電してごらんなさいよ。」

「そうだな。この顛末を俺のブログのネタにして、一本エントリを書こう。iPadで書くよ。」

私はやれやれと思った。

(終)

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