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山川健一『マッキントッシュ・ハイ』を読んで

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どうも、Jack です。

山川健一さんの著書『マッキントッシュ・ハイ』を読みました。

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1997年の刊行。13年前に書かれた Mac についての書き下ろしエッセイ集です。この本を著したとき、山川さんはMacと出会ってまだ1年しか経っていませんでした。山川さんが初めて自分用に手に入れたマシンは Performa 6210。それからすぐに PowerBook 5300cs、Performa 5320、PowerBook 5300cと立て続けに購入し、ふと気がつくと7台もの Mac を使っていたそうです。(『マッキントッシュ・ハイ』154ページ)なんでもとことんやらなくては気が済まない山川さん。Mac と出会って最初の1年間はとてもディープな期間だったのでしょう。アップルやMacに対する旺盛な知識欲に溢れる行間から、山川さんの初々しさが感じられました。

『マッキントッシュ・ハイ』は13年も前に書かれたもの。めまぐるしいドッグイヤーのIT業界においては、この本は既に古典の領域です。技術的に古くなってしまった事柄、いまでは誰も見向きしない事柄がこの本にはたくさん出てきます。アップル社の過去の歴史に対する知識がないと、読み進めるのが困難なところもこの本にはあります。

それでもボクはこの本を読了し、とてもいい気分にさせられました。山川さんの Mac に対する愛情たっぷりの文章を読み、ボク自身が初めてMacに触れたときのこと、Macを初めて購入したときのことを思い出してしまったからなんです。

「あなたがマッキントッシュを手に入れたとしよう。どんなマックでもいい。多少古くたってもかまわない。ぼくだってまだ初心者なのだからして、Power PC でないとできないことなんて、3Dグラフィック以外には大して思いつかない。(略)
 ほんとうは、68Kであろうが PowerPC であろうがどちらでもかまわない、という姿勢が大事なのだ。そうでなければ、これから続々と登場する MacOS をライセンス供与された速くて安い互換機がいちばんいいということになってしまうだろう。そして次に待ち受けているのは、PowerPC プラットフォームの戦国時代なのである。(略)
 そんな今、とても大切だと断言できることがある。
 それは、愛情と動機と感動である。
 つまり、なぜマックに向かい合うのかという問題が大切だと思うのだ。」

(第2章「なぜこんなにもマックを愛してしまったのか、という恋心」26ページ)

山川さんがマックにむかう姿はじつにピュアです。まるで新しいおもちゃと出会った小学生のように純粋そのもの。山川さんの Mac 理解は例えば次のような文章に表れています。

「アップルは、確かにいくつかの幸運な偶然にも恵まれている。だが、マッキントッシュというコンピュータは決して偶然出来上がったものではない。偶然をチャンスに変えていったのだ。「おれ達は世界を変えるんだ」という強い意志の存在こそが、「エジソンの電球はマルクスの『資本論』よりも本質的に世界を変革したのだ」という確信こそが、マックの誕生を可能にしたのである。Windows95が登場した今は、マックもWindowsマシンも機能的にはたいして変わらない、と多くのWindowsマシンユーザ達は言う。だがその美的資質を問うならば、2歩も3歩もマックが先を言っているというべきだ。それも偶発的な結果ではないはずだ。
 そして繰り返すが、それは、マッキントッシュが友情から生まれたコンピュータだからなのではないか。人間が1人きりで辿り着ける場所などたかが知れている。だが、信頼した友だちとなら、遠くまで行ける。マッキントッシュの OS (オペレーティング・システム)は何の飾り気もなくMacOS (日本では漢字Talk)と呼ばれるが、もっとマクロで発想すれば、<エゴイスト達の友情>こそがマックのOSなのではないか。」

(第1章「友情が生み出したコンピュータには一点の曇りもない」19ページ)

ものごとには現象と本質があります。『マッキントッシュ・ハイ』には、いまでは熱心なアップルユーザは覚えているけれど、一般には忘れ去られた固有名詞がたくさんでてきます。Knowledge Navigator、システムソフトエディタ、Power Computing、InternetConnect PPP等々。ボク自身親しみがないのでこの本を読んでいて、正直なところつらい所もありました。

しかし辛抱して本を読み進めるうちに、山川さんの考えるMacの本質とは何か、Macの楽しさとは何かについてだんだんわかるようになった気がしました。初代Macintoshにはおろか、1997年頃のMacにさえ十分に触ったことはボクはありませんが、けして短くはない歴代のMacに脈々と流れるMacの本質、コアの部分は変わらないのではないか。その本質は、iPodやiPhone、iPad へ形を変えて昇華し、ひいてはこの前のアップルのスペシャルイベント「Back to the Mac.」で見たように、Mac OS X Lion の形となって戻ってきたのではないか。ボクは『マッキントッシュ・ハイ』を読んでそのように受け止めました。

ボクの考える Mac のいいところは、コンピュータについて深く知らなくても Mac を語れるというところです。コンピュータを語れるのは、大学や大学院でコンピュータサイエンスを専攻した人だけではないんです。文系の人や、大学のような高等教育を受けることに無縁だった人でも Mac の面白さを語れる。そういう懐のひろさが Mac にはあるとボクは思っています。

山川さんはMacと出会ってたったの一年で『マッキントッシュ・ハイ』という本すら上梓してしまった。もちろんすでに作家活動のキャリアをお持ちだったから可能だとも言えるのでしょうが、しかし知識よりも「Mac でやりたいこと」に対するイメージが強烈にあるから、Mac に対する情熱がこの本にはほとばしっています。山川さんは早稲田大学商学部を卒業しているから、文系であり、執筆当時コンピュータにかなり詳しいというわけではなかったんだろうと思います。ハウツーは大事だけど、あとからついてくればそれでいいのでしょう。

***

この本をボクが読もうと思ったきっかけは、ツイッターでのとあるつぶやきでした。

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このつぶやきのおかげで、山川さんのことを初めて知りました。@blackykun さん、教えてくださり、本当にありがとうございます。

ボクは、このブログはMacが好きで始めました。「好き」で、というよりも「大好き」で、と言い換えた方がいいかもしれません。それぐらい魅了されてしまいました。とはいえそれほど語れる力量もないものですから、しゃぶしゃぶを食べてうまかったとか、子どもがうまれて可愛かったとかそんなことでエントリしたりしています。

けっきょくのところ自分のスタンスで、自分のことばで Mac についてお話ししたいという欲求が強くあります。そして、Mac が好きだから、このブログではうそや大げさな表現はできないと思っています。全部本音ベースです。ブログでうそや大げさな表現をしても、見る人が見ればすぐにわかっちゃうんですよね。できるだけ背伸びせずに、自分の目線でブログを楽しみたいです。そんな部分を見てもらえたらすごくありがたいと思います。


(参考情報)
山川健一、1997年、『マッキントッシュ・ハイ』幻冬舎

<目次>
第1章 友情が生み出したコンピュータには一点の曇りもない
第2章 なぜこんなにもマックを愛してしまったのか、という恋心
第3章 1カ月でシステムフォルダと親友になるために
第4章 アプリという名前の船でデジタルな海へ漕ぎだそう
第5章 禅や老子の思想とマッキントッシュ・ヒーリング
第6章 LSDとグレイトフル・デッドが生んだコンピュータ
第7章 ファーイーストの宣伝屋が綴る主要機種ガイド
第8章 小さなコンピューターがインターネットを解放した
第9章 HTMLはホームページ作りのための魔法の呪文だ
第10章 テレビゲーム機の向こうのWWW
第11章 ヴィンテージとデジタルの間に虹の橋を架ける LittleShokDriver
第12章 ROCK CITY CHRONICLES / 1995.7 ─ 1996.6


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