Apple Incは、売上の比率の観点でいうとiOSの会社であるといって差し支えありません。2012年Q4 の Mac の売上は6.6Bであるのにたいして、iPhone/iPad の売上は24.6Bです。会社全体の売上の7割がiOSデバイスから得られています。iOSデバイスはアップルにとって最重要商品です。
この事実から、タブレット市場においては、性能よりもより安価なものを顧客は求めていると推測できそうです。iPad mini は329USDからですが、ライバルのNEXUS 7 (199 USD) などと比較して高額であると批判されたことがありました。私自身はiPad mini 16GB, 28,800円は適正だと思うけど、世間はそうは思わないということなのでしょう。
2012年秋、iPad mini を非レティナとして、iPad 4thをレティナとして出してきたのには意味があります。iPad miniをレティナにしてしまうと、ハードウェア上の面でハードルが高くなってしまいますし、値段が高くなってしまいます。またiPad 4thのメリットが相対的に薄れてしまいます。Apple としては当然9.7インチのiPadをも押したいでしょう。
ポータブルMacは MacBook Air, MacBook Pro, MacBook Pro with Retina displayとあります。それぞれの出荷台数はアップルは公開していないので想像の域を出ないのですが、このなかで一番人気はMacBook Airでしょう。11inch、13inchどちらもリニューアルして3年になりますが、熟成され、安定しています。私も MacBook Air 11-inch (Mid 2012)を使用していますが、小さくて速くて安価でめちゃくちゃ気に入っています。こういう Mac がこれだけの値段で買えるとは驚きの一言。
CPU についていえば、現在、Macには22nmプロセスの「IvyBridge」が搭載されているのですが、これが今年、後継の22nm上での新マイクロアーキテクチャ「Haswell」となると見られています。
MacBook Proと MacBook Pro with Retina displayについては、私がきいたところによるとMacBook Pro with Retina displayはあまり売れていない、ぜんぜん売れていないそうです。理由は簡単で高価だからです。Retina displayモデルよりもふつうのモデルのほうが3〜4万円安いので、ふつうのモデルがずっとずっと売れているそうです。上記で述べたiPad 2とiPad 3rdの関係と同じことが、MacBook Proにも見て取れます。
このことを考えると、アップルはまだ Mac において Retina の魅力をうねりとして作り上げるのに成功していないのではないかという気がします。
写真や映像を本格的にやるひとには、MacBook Pro with Retina displayを選択することが当然だと思われます。これは店頭で実機を見れば明らかです。しかしコストの面などで非Retina display機を選ぶ人も多い。私自身はぜひRetina display機をより安価なものとして、大衆化をはかってほしいとアップルにお願いしたいです。